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地域経済におけるDX成功の秘訣は「対流」にあり

広報部

2021.06.16

近年、DX推進は一部企業の取組だけでなく、自治体を含めた日本全体の課題となっています。しかし、なかなか思うように進められていないという企業・自治体も少なくありません。その原因として、構造ありきの発想が原因と考えられています。

今回は、西会津町デジタル戦略アドバイザー、内閣官房情報通信技術総合戦略室オープンデータ伝道師の藤井靖史氏のインタビューをもとに、地域経済におけるDX成功の秘訣について見ていきましょう。

構造先行の施策は失敗の元

昭和までのビジネスはすでに対流ができており、あらゆる事業が構造(ハコモノ)先行でも問題なく対応でき、物を作ればその分売れる時代でした。しかし、近年では経済が成熟し、対流が起こりにくくなっているため、従来のモノを作ってから対流を起こす、という流れでは失敗すると語られています。

ここでいう「対流」とは、顧客・消費者の需要と供給の流れや課題、問題点などを解決する仕組みと捉えられるでしょう。地域に基づいた最適な政策やプロダクト・サービスをつくるためには、地域の対流を理解することが重要です。

ここ数十年の日本は「対流先行」ではなく「ハコモノ先行」で対応しており、その失敗の繰り返しに陥っていると語られています。

デジタル地域通貨で地域経済の流れを可視化する

地域経済の流れ、対流を捉えるために役立つものがデジタル地域通貨であり、会津大学食堂では「白虎」が利用されています。ブロックチェーン技術を活用したデジタル地域通貨は地域内やイベント内などの小さな経済活動の見える化に最適です。

ブロックチェーン上のデータを分析することでユーザーの傾向や改善点が把握でき、効果的な施策が打てるようになります。この際に重要なのは金額の総量ではなく流量だと語られました。

デジタル地域通貨を通して地域経済の流れ・対流が見えるようになるため、デジタル地域通貨は経済の回し方を考えるツールにもなるのです。

DXを成功させるためには手段ではなく目的意識が重要

構造(ハコモノ)先行は手段を主軸においたものであり、この方法ではDXの成功は難しいとされています。まずは地域の流れ(対流)を把握し、うまく回し続けるために必要な構造を考えることで必要な事業が見えてくるようになると語られています。

この考え方は自治体だけでなく、一般企業においても同様のことが言えるでしょう。DX推進ではITツール類の活用に主軸が置かれがちですが、手段ではなくそれらを活用する目的意識が重要となります。

〈参照〉デジタル地域通貨が可視化する、地域経済の「対流」/事業構想

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